ベストプラクティス : 支援記録と個別支援計画の連携によるPDCAサイクルの構築法 : 就労継続支援B型をはじめ、それぞれの目標達成のために情報の有効活用を。
「かんたん支援記録カンタン支援計画」は、支援記録(ケース記録)記入作業の効率化や、簡単に情報共有できる、という点だけでも十分な導入効果はありますが、この記事では「より効果的な使い方」として、無理なく自然に「支援の質を継続的に改善していくための良い循環」を作り出す方法をご紹介いたします。 ポイントは「#」の一文字です。
ここでは、よく知られているフレームワークである、「PDCAサイクル」を用いて Plan (計画) / Do (実行) / Check (評価) / Act (改善) の各フェーズ毎に説明させて頂きます。
そのまえに… PDCAサイクルとは?
PDCAサイクルとは、福祉業界だけでなく、様々な分野で持続的に品質を向上していくために用いられている手法です。福祉事業においても、支援業務フローを Plan (計画) / Do (実行) / Check (評価) / Act (改善) の4段階に分けて、問題点を洗い出し、改善を加えていくことで、支援の質を継続的に向上していくために有効です。
それでは、実際の活用方法を見ていきましょう。 ( また、実際に使いながら実践して頂くと、よりその価値が「体感」として理解して頂けるかと思いますので、ご試用も併せてどうぞ。 )
1. Plan : 各利用者様の個別支援計画の各目標に #計画キーワード を記入
ベースとなるのは個別支援計画です。 まずは、新規の個別支援計画を作る場合でも、継続中の場合でも、個別支援計画の中に定めたそれぞれの目標を、簡潔な16文字以内のキーワードにまとめ、そのキーワードの前に # をつけて計画内に記入しておきます。
これにより「かんたん支援記録カンタン支援計画」では #計画キーワード として機能します。
もし、個別支援計画をエクセル等の別のツールで作成している場合には、この #計画キーワード のみを書き入れた簡略版の個別支援計画だけでも、当システムに登録しておくと各所に機能し、統一支援や、目標の共有、その後の情報抽出などに役立てることができます。
また同時に、生成AIによる「要約とアドバイス」も、より的確な回答が得られるようになります。
また、この「簡潔なキーワードにまとめる」という行為自体が、より目標を明確にするキッカケにもなります。 なるべく具体的な内容(数値目標など)を取り入れると、支援する際の進捗状況などが把握しやすくなると思います。
2. Do : 支援記録に、#計画キーワードとともに関連する支援内容を記入
各利用者様の個別支援計画に書き入れられた #計画キーワード は、支援記録の記入の際、 #計画キーワードボタン として表示され、必然的に目に止まりますので、支援員間での目的意識の共有が自然に行われます。
そして、支援として実施した内容が、#計画キーワード に関わる内容である場合、その記述部分の前後で #計画キーワードボタン をクリックすることで、このキーワードが内容に追加されます。
こうしておくことで、下図のように支援記録を表示した際、このキーワードを含む記録を時系列で確認できるリンクボタンとして機能しますので、それぞれのキーワード(目標)ごとの支援実施内容の把握・共有が容易にでき、統一支援の質を高めることができます。
3. Check : 個別支援計画の各 #計画キーワード ごとに支援実績を評価・モニタリング
実施した個別支援計画に対してモニタリングを行う際には、その個別支援計画に記入されている各目標ごとに設定された #計画キーワード をクリックすると、利用者様毎にそのキーワードの含まれる支援記録を抽出できますので、各目標に対する支援の内容を振り返ることができます。
そして、評価内容の記入とともに各計画目標の達成度(評価点)を下図のように5段階で評価しておきます。
4. Act : 評価した個別支援計画の目標毎の達成度に応じて、その支援実績から改善すべき点を見つける
評価済みの個別支援計画を振り返る際には「達成度をチェックする。」をクリックします。 すると、各 #計画キーワード が大きく強調表示され、それぞれの評価内容・達成度(評価点)と見比べることで、注目すべき目標・項目がパッとひと目で分かります。
評価済みの個別支援計画の中に記入された各 #計画キーワード は、その個別支援計画の実施期間 ( 計画作成日から評価日まで ) 内の、その利用者様の支援記録から #計画キーワード を含む記録を抽出するリンクになっていますので、気になるキーワードをクリックすることで、それぞれのキーワードごとに「どのような経緯でこの評価・達成度となったのか」を確認できます。
これを元に、改善すべき点、継続すべき点、留意すべき点などを勘案しながら、より良い次の個別支援計画 ( 次のPDCAサイクルのP ) へとつなげていくことで、組織・支援チームとして「支援の質を向上し続けていくための循環」が生まれてきます。
また、この期間を紐付けて抽出する機能は、過去の個別支援計画から類似ケースなどを探す際にも重宝しますので「全ての過去の支援記録や個別支援計画がムダにならず、未来の支援のための資産になる」という事にも繋がります。
申し送り・引き継ぎなどもスムーズに
また、何らかの理由で担当する支援員が変わった場合などでも、これまでの具体的な経緯を把握することが容易となりますので、利用者様の支援を立ち止まることなく継続することができます。
私たちは、全国の福祉事業所が持続的に支援力・支援精度を向上していくことをサポートしていきます。